き、    える。









それは、潔く散りゆく花のように。

それは、決して触れられぬ幻のように。

それは、空にかかった七色の橋のように。

それは、地に落ちて朽ちていく落葉のように。

それは、降り積もり溶ける雪のように。




消えて、ゆく







うつくしいだけの、本当にそれだけの女だった。
「……生きろ、とおっしゃるのですか」
「あなたに何ができる? 何ができた?」










「泣いているの、お嬢さん?」
「ど、うして」
夜には、虹は現れないのに。










  ただ、君をおもいだす。












「だいじょうぶ。だいじょうぶよ」

いとしい、いとしい、わたしの祝福の子。











「しあわせになって。姉さんが、俺の姉さんじゃなくなっても」
弟の願いは、とてもやさしくて残酷だ。










      あれは、生涯忘れることのできない女だった。――「Last spring ,last letter」

      虹みたいな男だ。雨が止むと、気まぐれに私の前に現れる。――「Under the rainbow」

      その泉は、まもなく枯れ果てようとしていた。――「Good night,Water Lily」

      別れは確かに忍び寄る。容赦なく、嘆く暇も与えずに。――「Time after time」

      あたしね、知っていたのよ。あんたが人じゃないって。――「Good bye,snow」






忘れない。ずっと。





それは、別れの物語。






















文庫サイズ/110P/イベント頒布価格600円





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